シャンクス視点



風呂から出たようだ。脱衣所に向かって叫ぶ。



「俺の服で悪いが使ってくれ」



置いてある服を確認したであろう彼女はありがとうございますと返してくれた。少し声が明るくなったような気がした。そのうち、ほかほかと湯気を立たせながら彼女が脱衣所から出てきた。



ふぅと息を吐く彼女に俺の方がため息をつきたいぐらいだと言いたかった。はぁ、今日は辛い夜になりそうだ。



「いい湯でした」
「本当か? 風呂、汚かっただろう?」


「……まぁ、そこはスルーさせてもらってもいいですか?」



気まずそうに目をそらされれば、あぁ、素直な女は嫌いじゃないなと思う。



「じゃあ、俺も入ってくるわ」
「はい」
「そうだ、今日はベッド使ってくれていいから」



俺はソファで寝る、いいなと、最後の方は強めに言い切った。そうすれば、ほぅと息を吐く彼女。はい、お言葉に甘えさせてもらいます。やっと笑ってくれた。そんなことを思いながら、風呂場のドアに手をかける。



「おやすみなさい」
「ん? あぁ」



早々にベッドに入っていった彼女はよほど疲れていたのだろう。もう寝たいようで、これから風呂に入る俺に向かってそう言った。……わがままな女だなと思いながらも、俺の口元は自然と緩んでいた。


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