シャンクス視点



ガタン――――



風呂から出ると、彼女は布団にくるまって、壁側を向いていた。もう寝たのだろう。そう思いながら、自分も寝ようと、部屋の明かりのスイッチに手を伸ばす。



スンスンと聞こえる声。伸ばされた手がピタリと止まった。……泣いているのか?



そっと上からのぞき込むと、目をつぶったまま彼女はないていた。起きているときは泣かないくせに、眠っているときは泣くのか。ずいぶん、強情な女だ。弱いくせに無理なんかして。どうすることもできない俺はただただ、優しく頭を撫でてやることしかできなかった。



次の日。ソファで目が覚める。ベッドに目を向けると、もうそこに彼女の姿はなかった。ローテーブルの上には走り書きの文字で「ありがとう」と書かれた紙が一枚。



ガラリ、とベランダの引き戸を開ける。ふぅ。たばこに火をつけて吐き出す。



「今日は、晴れか……」


prev / next