シャンクス視点



「あははは、そうなの? え〜そんなことないよー!」



遠くで聞こえる、聞きなれた声。



「……か?」



ガバッと頭を起こす。声のする方に目を向けると、思った通り、が歩いていた。隣に立っているのは……男? 男だと? よく見るとその男は見たことのない奴だった。あの煙の奴ではない。



「!」
「え、シャンクスさん?」



俺の声を聞いたが驚きながらもこちらに来てくれる。ホッ、その笑顔に安心した。



「何しているんですか?」
「いや、普段鍵かけないもんだから、持ち出すの忘れてて」
「えぇ!? じゃあ、ずっとここで?」
「まぁ……」
「連絡くれたらよかったのに!」
「……あー」



確かに。その通りだな。



「酔ってて、頭回らなかったんですね?」



クスクスと笑われれば、罰が悪くなって、視線を逸らした。その視線の先には先ほど、の横に並んで歩いていた男が立っていた。



「友達か?」
「……ん? ……あ! はい、そうです」



ちょいちょいとが手招きすると、その男は一歩前に出る。がもう! と声を上げると、面倒だという態度で数歩さらにこちらへと足を進めた。



「こちらはお医者様のロー様です!」
「様はいらねぇよ」
「え、だって、エリートじゃん!ねぇ?」
「エリートでもなんでもねぇ、ただの医者だ」



そう?首を傾げながら笑うは本当に楽しそうに笑っていた。



「医者と仲いいのか、すごいな」
「え、いやいや。あれ、言ってなかったですっけ?私薬剤師なので」



だからお医者様の知り合いがいるのは普通でしょう? そう言っては笑う。あぁ、それでかと納得する。



「じゃあ、ロー。もうここまででいいよ」
「いいのか、家もう少し先じゃ」
「え、いいよ。ここに家主いるし」



ね? とこちらににこにこと顔を向けられれば、おぉと声が漏れる。やべ、なんか嬉しい。



「あ”ぁ?」



そのローという男はそれを聞いて、あからさまに嫌そうな顔をしており、俺のことを軽蔑しているような目で見ていた。なんだコイツ。



「ひょっとして、友達の家ってコイツの家か?」
「あ、うん。そうだよ」



ローの家広いから、泊まるのには持ってこいだしと笑う、お前はもっと警戒しろよと言いそうになる。



「おい、居候している家って、もしかしてコイツの家か?」
「そうですよ。あ! こちら、私と一緒に暮らしているシャンクスさんです」



あれ、なんか紹介の仕方おかしいかなとは首を傾げていた。俺たち2人は互いに開いた口がふさがらないと言った様子で、しばらくを見ていた。それ、同棲している奴が言う台詞だろうが、教えてやらないがと呟く。



「ど、どうしたの? 二人とも」


「あ、あぁ。なんでもない。さぁ、帰るぞ」
「うん」



じゃあねローと手を振るに前を向いて歩けと言う。うんと返して、走り寄ってくる姿にどうしようもない愛しさを感じてしまう。振り返ると、機嫌悪そうにこちらを見るローという男と目があった。バチリと火花が散ったように感じた。










「ねぇねぇ、シャンクスさん〜」
「なんだ?」
「掃除、いつからします?」
「……あ――」



そういや、そんな話していたなと昨日の会話を思い起こす。



「やらないとダメか?」
「ダメじゃないんですけど……、さすがに住めないので、……別の家探すかな」
「……」
「昨日、ローが別に部屋貸してもいいって言ってくれていたし」
「は?」



瞬きをしての顔を見れば、私、本気ですという風にこちらを睨まれて、あまりの可愛さににやけそうになってしまった。



「……いや、その。そうだな……」



動揺した頭は言葉をうまく作り出せないらしい。



「……やっぱ、だめですか?」
「……が手伝うっていうんだったら、いい」
「ほんと? やった! じゃあ、帰ったらすぐしましょう? ね?」



嬉しそうに駆け回る姿を自然と目が追っていた。なんていうんだろうか、こんな気持ちしばらく忘れていた気がする。



「はぁ……へいへい」



ふふふと笑みを漏らしたは俺の隣に戻ってくると、昨日の合コンどうだった?と直球ど真ん中ストレートな質問を投げかけてきた。



……俺、家までかわせるかな。




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