ベックマン視点



が言葉を詰まらせて下を向くと、の後ろに立っている奴が俺の方に視線を送ってきやがる。なに、聞き出せと言いたいのか? まったく、ほんとうにそんな役回りだ。



小さく頷く。さて、何が出てくるか。後ろに野郎がいるとも知らないでは話し出した。




シャンクス視点



去り際にベックに放った言葉。それに反応してしまった俺は一体何歳だと自分に言ってやりたい。そんなことにまで嫉妬する年か。鍵をかけ終わったがこちらを振り向けば、案の定。きょとんとした様子で、頭の上にはなんで? なんで? なんで? という言葉が連呼されていた。



あーくそー可愛いじゃねぇか、この野郎。



はぁーと息を吐いて、欲望を押さえ込む。の顔は徐々に強ばりだし、もしかして、聞いていた? と頭の上にはてなが浮かんでいる。分かりやすいな。



クククッと喉で笑えば、は体をビクリと揺らす。



「聞いてましたか?」
「あぁ」
「ベックは……」
「ばっちり俺と目が合っていた」
「……ちょっと、それずるいですよ!」



むぅ! とむくれるに苦笑しつつ、本題へ入る。



「……携帯ずっと鳴ってるだろ」
「……見たの?」
「見たくなくてもずっと鳴っているからな、嫌でも画面が見えるんだ」



着信中の画面は夜には明るく光り、その画面には彼女が愛する人の名前がずっと、ずっと存在し続けていた。その画面をどんな思いで俺が見ていたか、は一生知ることはないだろう。



「……どうしたらいいのか分からなくて」
「だから、出ないのか」
「だって……」



だってもし、もしあの人の声を聞いてしまってかつての思いが蘇りでもしたら、私は……私は……、そこまで言葉を続けたを抱き寄せる。こうするのは2度目だった。



「、逃げるな」
「……うん。でも、ちょっと、時間が欲しい」




少し、考えさせて?




そういうを解放した俺は、あぁと言い、鍵を持って家を出た。今は、一人がいいだろう。


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