次第に強くなる雨、雨の音で2人の話し声は聞こえなかった。が何か言っている。奴がの腕を掴んだ。足が出そうになったとき、
「なっ!?」
がそいつにキスをした。その後のことは、よく覚えていない。男が去り、が一人で立っているのが視界に移っていた。
近づいていくと、が泣いているのが分かった。何かを呟くように言っていた。
「ごめん、ごめん、スモーカー。だって、私、シャンクスが好きなんだもん」
ごめん――
懺悔はあまりにも痛々しくて、お前はなんでそんなに、スモーカーという勝手な男に対して、なんでそんなに優しいんだと怒りがこみ上げてきた。そして、そんなところで嫉妬してしまう自分に気づいて、苦笑してしまった。いい加減、俺も素直にならなければ。
「…」
ハッと俺の声に気づいて振り向いたは、視線が合うと、ニコリと笑った、弱々しかったけれど、でもどこか解放されていたその表情はまた俺の心を引きつける。
「けじめをつけてきたよ」
えへへ、がんばった! 全身をびっしょりと濡らしている愛しい人を抱き寄せる。シャンクス?と首を傾げる様子ですら、愛おしかった。
「…行っちまうのかと、思った」
「え? 紙おいていたでしょ?」
「ありがとうって一言じゃわからねぇよ」
あ、あぁそうか。ありがとうって、あれじゃどっちの意味にも取れちゃうよね。ごめん。スリスリと体をすり寄せられれば、押し止めていた欲がじわじわとにじみ出ていく。
「…どこにも行かないよ」
ぎゅっと俺の服を握りしめたが言う。
「シャンクス、大好き」
「あぁ、俺もだ」
ニコリ――
あぁ、お前は本当に雨が似合う女だよ。その笑顔に吸い込まれるように唇を重ねた。